「……はぁー、」


自分のおでこと先輩のおでこを同時に片手ずつで触れてたしかめていると、大きなため息が聞こえた。

わたしが声をかける前に、先輩が頭を下げてわたしの首筋に寄せる。



「天然、ってやつか……」

「先輩?」

「少しだけ、こうさせて……」

「はい」


よくわからないけど、先輩がわたしを頼ってくれているような気がして頷く。

ぎゅっと強くなる腕に不思議に思いながらも、先輩の頭をぽんぽんと撫でた。


やわらかい黒髪が気持ちよくてたくさん触ってしまったけど、先輩はなにも言わない。


数分間、同じ態勢でいるといきなり先輩から距離をとり、それからは一緒にお弁当を食べたり駄菓子を食べた。


まだ知り合って間もないから、わからないこともあるし、先輩はちょっと不思議な人だなって思うけど、すごく優しくてかっこよくて一緒にいると楽しい。


失敗ばかりのわたしだけど、先輩と知り合えたことは本当によかったなって思った。