そのまま優乃の腰に手を回してこの場を去る。
後ろで「七海くん、なんで言ってくれなかったの!」と聞こえたけど、七海からは楽しそうに笑っている声しか出なかった。
まじでおれが言うのもあれだけど、七海は性格に難アリだ。
「か、要くん。すみません、わたし上手にできなくて。七海先輩を残して大丈夫ですか?」
「あれは七海が悪いから、気にせず任せとけばいい。優乃はもうおれから離れんな」
「はい、」
緊張しているのか体が強張っている。
おれが女性を連れて歩くことをしたことがないからか、周りからの強い視線を感じる。
「要くん、そちらの女性は……?」
「僕がお付き合いさせていただいている方です」
「そうなんだ。どちらのご令嬢で?」
「一般家庭で育った方ですが、僕の大切な方ですので」
「あ、はは……そうなんだね」
そうやって地位で人を判断しようとするやつは見る目ない。



