数十メートル先に優乃と七海がいる。
その周りをたくさんの人が囲んでいた。
は?
優乃が七海のフィアンセ?
ありえねぇから。
むっとして歩き出す。
「あ、要くん。誕生日おめでとう。私の娘が要くんのことを気に入ってるみたいでね……」
「ありがとうございます。失礼します」
「え?」
声をかけられるもサラッと流す。
勘違いさせるわけにはいかない。
一瞬でも、優乃がほかの男と付き合ってるとか思われたくない。
「うちの次のモデルになってもらいたいな」
「CMに出演してくれないかな?」
「七海くん、いい人を見つけたね」
「そうですね」
七海、あいつまじぶっ飛ばす。
おれが近づいていることに気づいているくせに否定しない。
優乃はいきなりたくさんの人に囲まれて戸惑ってるし。
走りたいのを我慢して早歩きで優乃と七海の前に立つ。



