「麦茶ですけどいりますか?」
「もらうわ」
2人分の麦茶を用意してローテーブルに置き、西園寺さんと向き合う。
お茶を飲む動作も綺麗でただの麦茶がおしゃれな紅茶に見える。
「まあまあね」
「スーパーの特売です。夏はやっぱり麦茶ですよね」
「へぇ。ってそんなのはどうでもいいわ。あなた、よく普通に私を部屋に入れられたわね」
「え?入れてほしいって言いませんでしたっけ?」
「言ったけど、初対面で上げるのは危険よ。私が言うのもなんだけど」
怒ったような呆れたような西園寺さんに戸惑う。
初対面だけど、要くんの知り合いって聞いて思わず入れてしまった。
家にはだれもいなくて、いまはふたりきり。
「あ、危ないこと考えてます……?」
「考えてないわよ。危機感なさすぎじゃないって話。これじゃ要さんも大変ね」



