「お車の準備ができました」
「ありがとうございます。行ってきます」
「行ってらっしゃいませ。楽しんでくださいね」
「はいっ!」
優乃の元気な返事で使用人も笑顔で手を振った。
おれを見てハッとして頭を下げたがおれも手を振ってみた。
優乃の世界を見ると、おれもそこに行きたくなる。
言葉や行動ひとつで周囲の表情も雰囲気も大きく変わってくるんだな。
それなら、優乃みたいに明るく楽しく、笑顔あふれるほうがいい。
「要くんの浴衣姿もすごくかっこよくてドキドキしちゃいます……っ」
車に向かってる途中、隣を歩く優乃が照れながら伝えてくれる。
そんな優乃におれはドキドキしてしまうけどな。
「似合ってます」
「ありがと」
優乃の手をきゅっと握って止めると、触れるだけのキスを落とす。
顔を真っ赤にさせた優乃を見て満足。
照れて俯く優乃の手を握ったまま、車まで歩いて乗り込んだ。



