笑顔でそう言われたら、いままでの価値がある。
小さい頃から勉強も運動もいろいろ習わされていた。
おれはいわゆる御曹司で、将来は親の会社を継ぐと生まれる前から決まっていた。
だからそれに関してはなにも疑問に思わずやってきた。
そこまで必死にならなくても、ある程度はできたし。
出された課題を完璧にこなしてさえいればあとは自由だったから、好き放題してきた。
いまもそこまで縛られず、おれのやりたいようにさせてもらってる。
「要くんは、どんなことにも挑戦してがんばっていてすごいです」
おれの昔のことなんて知らないのに、当たり前だと思っていたことを褒めてくれる。
できて当然で完璧以外はありえない。
そんな世界で過ごしてきたけど、優乃は過程を認めてくれる。
“おれ”を見てくれる。
「優乃、好きだよ」
「っ……ふ、不意打ちです……」
楽しそうに笑っていた顔が赤く染まる。
そんな優乃を見ると、うれしくなるんだ。



