そんな声が耳に届いたときには回さた腕は離れていた。
わたしが振り向くより先に前に回り込んで正面から抱きしめられる。
わざわざ要くんが移動してスマートに抱きしめてくれるところにすごくきゅんとした。
手を伸ばしぎゅっと抱きしめ返す。
「翔ちゃんの気持ち、知らなかったです。傷つけてたんですね」
「優乃が悪いわけじゃない」
「そう、なんですかね……でも最後は笑っててよかったです。要くんのおかげです」
「優乃のためだから」
「要くんって、翔ちゃんや七海先輩と話すときに口調変わりますよね」
「あー、いや。優乃にだけ変えてる。優乃には優しくしたい」
「べつにいいのになぁ……」
無理しなくていいし、気をつかわなくてもいい。
むしろ自然体でいてほしいと思ってる。
「うん。けど、優乃には優しいおれでいたい」
「すごく優しいですけどね」



