時間もないし、先輩の言うことを断れる立場でもないわたしは素直に返事をして、もう一度頭を下げてから教室へと戻った。
失敗を重ねてしまったわたしに対して伊月先輩は一度も怒ることはしなかった。
なんて心が広くて優しい人なんだろうか。
だからこそ、より申し訳ない気持ちが加速する。
教室に戻ると翔ちゃんの心配しているような瞳に気づいたけど、すぐに授業が始まってしまい話をすることはできなかった。
「優乃、教室入ってくるのギリギリだったけどなんかあったの?」
1限目が終了してすぐに、窓側のいちばん後ろのわたしの席まで来てくれたのは三原理沙ちゃん。
理沙ちゃんは中学2年生の時に同じクラスになったことをきっかけに仲良くなった友達。
サバサバしていてしっかり者で、ショートがすごく似合うきれい系の美人。
翔ちゃんと一緒に、わたしをフォローしてくれて本当に頼りになるんだ。



