さらっとかわいいなんて言ってくれるし。

うれしいけど、わたしもそこまで子どもじゃないよ。



「大丈夫ですよ」

「さっき連れて行かれそうになってただろ」

「彼氏を待ってるって言いましたよ」

「うん。聞いてた。それはすげぇうれしかった」

「えへへ」

「あーもう、わかってない」



自分の頭をぐしゃぐしゃとしてから、要くんが乱れた髪の隙間からわたしを見つめる。

その仕草に、その視線に、ドキッと大きく胸が高鳴った。



「なにつけてんの?かわいすぎんだけど」



手を伸ばしてわたしの唇の下を親指でなぞる。

気づいてくれたことにも、触れられる指にも、強い瞳にもドキドキする。



「もらったんです。雰囲気変えるのアリだって言われて……どうですか?」

「……いますぐここでキスしたいくらいかわいい」

「っ、!こ、ここでは……」

「うん。ふたりきりになりたいんだよな」