「要くん……?」
不思議に思いじっと顔を見つめるけど、後頭部に回っていた手が移動してわたしの目を隠す。
いきなり真っ暗になった視界に驚いて声を出すも真っ暗なまま。
今日は驚いてばかりだなぁ……。
「で、おれの彼女に手を出そうとしたんだから、それなりの覚悟はあるんだろうな?」
「ヒィッ……」
「お前らのことなんて、どうとでもなるんだよ」
要くんの低い声だけが耳に届く。
抑えているけど怒っているのはわかる。
「要くん、帰りましょう」
空気読めてないかもしれないけど、早く要くんに見てもらいたいんだもん。
話したいんだもん。
「ちょっと待ってな」
「でも……早くふたりきりになりたい、です」
「っ、わかった。お前ら二度と手を出そうとすんなよ?ほかのやつらにも言っとけ」
「は、はいぃ……!」
「見逃すのは今回だけだ。わかったらいますぐ失せろ」
「すみませんでした!」
「失礼しました!!」
その声のあとにバタバタと慌ただしい足音が遠のいていく。



