手を伸ばしブレザーを取ろうとするけど、ひょいっと遠ざける。
「あ、今来たのはこれを説明するためで、このしわしわを直すのでもう少し時間くださいってことです」
「直せるの?」
「はい。わたしじゃどうにもできなくて、弁償も考えたのですが翔ちゃんが直せるらしくて、翔ちゃんに聞きながらもう一度がんばります」
「翔ちゃん?」
「幼なじみです。昨日も一緒にいたんですけど、」
「あー……あ、思い出した。あのマッシュヘアの男?」
「そうです。小さい頃からずっと一緒で、なんでもできる幼なじみなので安心してください。必ずブレザーをきれいに直すので!」
翔ちゃんにかかればこんなのお茶の子ほいほいだよ。
あれ、ほいほいであってるよね?
こいこいだっけ?
さいさい…?
まぁ、そんなことはどうでもいいや。
とりあえず翔ちゃんという強い味方がいるから大丈夫。
「直さなくていいよ。これ着る」
「え、でも……」
「優乃ががんばってくれたんだろ?」
「まぁ……でも、これじゃさすがに申し訳ないので、」
「これでいい。優乃ががんばってくれたこれがいい」



