【優乃side】
今月末には夏休みに入る。
わたしの頭の中は常に伊月先輩がいて、夏休みはなにしようかなってことだけでいっぱい。
彼氏ができたのは生まれて初めてだけど、伊月先輩が本当に優しくて一緒にいると楽しくて幸せだなぁって感じる。
「優乃、幸せそうだね」
「先輩すっごく優しくて、昨日も遠回りしてたくさん話しながら帰ったよ」
「あの伊月先輩が手を繋ぎながら帰るなんてすごいわ。優乃にベタ惚れじゃん」
「わたしが先輩のこと好きなんだよ」
「お互いベタ惚れ、いいわね。あーあ、優乃もついに大人になっちゃって。……やっぱり先輩は上手?」
「へ?なにが?」
ホームルームまでの時間、いつものように理沙ちゃんと話しているといきなり耳元で内緒話のように聞かれた。
でも、意味がわからなくて首を傾げる。
内緒話みたいだけど、なんの話かわからないから答えようがない。
「なにって付き合ってる男女がすることと言えばあれしかないじゃない」