優乃はほかの女と違うって思っていたけど、本当に優乃だけは違う。


こんなこと思ったのは初めてで、おれもこんな気持ちになれるくらいの心があったのだと優乃のおかげで知れた。



再び、優乃がおれに気持ちを伝えてくれたときのことを思い出す。

まっすぐにおれを見つめてたくせに、急に照れて顔を隠すところとかやばかったな。


好きだと自覚したのは、いま見せられている動画のときらしい。


永久保存版だな。

おれが女の頭に手を置いたとき、優乃の顔が曇る。


そういうことか。

優乃が言ってたのはこれか。


と納得するのと同時ににやける。



「要、顔やばいよ。イケメンでもさすがにそれは……」

「うるせぇ」

「まぁ、いいと思うけど。要にそこまで想える子ができてうれしいよ」



なんで七海がうれしいんだよ。

悪い気はしねぇけどな。



「お前もがんばれよ」

「要が他人に気をつかった言葉をかけるなんて」

「いちいちうぜぇ」



七海の言葉を遮って、動画を送るよう急かした。