「これから本当のことを白状します」



「春花の乱れた姿を想像して、俺は何度も抜きました」



「春花とキスがしたいし、そりゃセックスもしたいんです」



「いつも俺は春花をそういう目で、そういう気持ちで見てました」





「だから、俺 と 付 き 合 っ て 下 さ い」





頭の中が真っ白になる。さっきまでの栗原と仲のいい女の子達への
嫉妬にも似た気持ちなんてどこかに吹き飛んで、今は自分ではとても
口に出していえないような栗原の台詞がぐるぐる回ってる。何も言葉が
出てこないどころか、全身の力が抜けて私はその場にしゃがみこんで
しまった。
おっと、と栗原がそんな私の体を支えようとして一緒にしゃがみこんだ。
握られた手が汗ばんでいないか気になって仕方ない。
だけどそんな混乱してる私に栗原は容赦なく自分の気持ちをぶつけてくる。




「春花は俺のこと好きじゃないの?」




栗原は意地悪だ。答えなんてわかりきってるくせに敢えて私にいわせ
ようとするなんて。
栗原が私の髪を梳く。目を閉じてしまいそうになるのを必死に堪えた。
閉じてしまったら負けだ。でも私の選択は間違っていたのかもしれない。

栗原の視線から逃げられなくなってしまった。



そして、栗原の唇が私の頬に微かに触れた。



「ホントはすぐにでも春花といろんなことしたいけど、今はまだこれで
我慢しとく」


楽しみは後にとっとくよ、と栗原がいう。私がまだ何も返事してない
ことについてはどうやらスルーのようです。こうなるとあまりの自信
たっぷりな態度が逆に清々しくさえ見えるよ、ねえ栗原。



繋いだ手を離さないのが、天邪鬼な私からの精一杯の返事ということで。