『春花のこと好きなんだけど、俺』





白 状 し ま す





信じられるわけがない。


確かに2年のときに同じクラスになって以来栗原とは仲良くなったけど、
いろんな女の子との色恋沙汰もときには修羅場も見てきたけど、
そこに私が絡んだことなど一度もない。昨日のお昼だってユカちゃんと
ミキちゃんと一緒に楽しそうにごはん食べてたし、第一今まで私に気が
あるそぶりなんてアナタ少しも見せたことないじゃないですか。


「…何の冗談?」


「いやいやマジですよ」


放課後掃除当番を終えて帰ろうとしていたら部活に行こうとする栗原に
会った。いつものように他愛のないバカ話をしていつものように手を振って
じゃあね、というはずだったのに、栗原の告白はあまりにも突然すぎて
私の思考はショート寸前。


「栗原」


「ん?」


「悪いけど、信じられない」


「げっ、マジっすか春花ちゃん」


栗原ががしがしと頭をかいた。どうすれば信じてもらえるのかなー、
なんていうから私は日頃の行いが災いしてるんじゃないの、といって
やった。悪いけど、栗原から女の子扱いしてもらったなんて覚えは
ないんです。むしろ私なんていつも栗原がからかって遊んでる南と同列
ぐらいの勢いです。


本当は、ちょっと切なかったんだから。



よし、といってそれまで机に腰掛けていた栗原が急に立ち上がった。


「わかった、これから俺が何をいっても引かないでちゃんと聞いて
くれる?」


私がしばらく考えてから頷くと、栗原は宣誓をするかのように右手を上げた。