結婚を前提……!?

ど、同棲……っ!?


私には無縁と思ってきたパワーワードが伊吹さんの口から私と関連づけて発せられ、私の思考は完全に停止。

びっくりしたのと、ドキドキしすぎているのと、嘘の罪悪感と……。

色んな感情が混ざりすぎて、もうどうすれば良いのか……。

助けを求めようと再び伊吹さんを仰ぎ見ると、嬉しそうな表情で私を見下ろし、にっこりと微笑んでいる。


……ああ、今日も伊吹さんは美しくて格好良い。


「うふふ、とっても仲が良さそうで安心したわ」

「ええ、それはもう。さあ母さん、中へどうぞ」

「お邪魔しますね」


お母様をリビングにお通しして、ソファへと座っていただく。

コーヒーをお出しして、伊吹さんと私はお母様の正面に隣り合って座った。


「もう、伊吹ったら、こんな素敵なお嬢さんと一緒に住んでること、内緒にしてるんですもの」

「すみません。でも、本当に最近のことなので」

「一体どこで知り合ったの?」

「会社です。いま、秘書課で事務を手伝ってくれています」

「まぁ。あの人ったら社長だからって会社のことは何も言ってくれなくて。ほんと困るわ。でも……。そう、そうなのね」