今日までに残ったのは、イヅナとレオナード、ヴィンセントにアレン、そしてチターゼと四人だけだ。みんな緊張感を持って階段を一段ずつ上っていく。

「もうすぐ階段が終わるね」

アレンが指差す先で階段は終わっている。建物で言えば十階まで上ったので、チターゼとヴィンセント以外は表情を緩める。 

階段を上り切った先に広がっていたのは、周りをぐるりと観客席に囲まれた闘技場のような場所だった。地面は固いコンクリートのような素材でできており、身を隠すためのレンガでできた壁が建てられている。そして、イヅナたちの前には長いテーブルが置かれ、その上には剣や弓など様々な武器が置かれていた。

「これって……」

イヅナが呟くと、「これから最終試験を始めるよ」と明るい声が響く。振り向けば、ギルベルトがマイクを持ちながらニコニコと笑っていた。その隣には、チェルシーとエイモンが座っている。

「最終試験は、我がアレス騎士団唯一の鬼であり、最強の戦闘員であるツヤと戦うことだよ」

ギルベルトがそう言うと、「ガキ共、さっさと自分が使う武器を選べ」とツヤが一瞬で現れて言う。突然ツヤが現れたことにみんな驚きつつも、それぞれ武器を選び始めた。