草むらはガサガサと揺れ続いている。何かが確実に近付いて来ている。ゴクリとレオナードが唾を飲み込み、イヅナも拳を握り締めて体の震えを誤魔化した。
長い草をかき分けて、ニュッと手が出てくる。朝顔の入れ墨が入った腕だ。三人の警戒がさらに強まるものの、草むらの向こうから姿を見せたのは、成人したばかりと思われる陽気そうな青年たちだった。
「いやぁ〜、やっと草だらけの場所を抜けられたぞ!」
「あれ?君たち、こんなところで何してるんだい?」
青年たちは全員で七人。全員褐色の肌をしており、この国の出身でないことは明らかだ。青年たちが来ている派手な色の半袖チュニックも、どこかの民族衣装のようだ。そして全員、腕にそれぞれ種類の違う花の入れ墨を入れている。
一体どこから来た人たちなんだろう、とイヅナが彼らを見ていると、イヅナの祖父並みに物知りで頭のいいヴィンセントが口を開く。
「皆さんは、西に住むフルール族ですよね。フルール族の民族衣装は鮮やかなチュニックですし、その腕に入れてある入れ墨はフルール族が成人の儀式の際に入れる自分の家の家紋です」
長い草をかき分けて、ニュッと手が出てくる。朝顔の入れ墨が入った腕だ。三人の警戒がさらに強まるものの、草むらの向こうから姿を見せたのは、成人したばかりと思われる陽気そうな青年たちだった。
「いやぁ〜、やっと草だらけの場所を抜けられたぞ!」
「あれ?君たち、こんなところで何してるんだい?」
青年たちは全員で七人。全員褐色の肌をしており、この国の出身でないことは明らかだ。青年たちが来ている派手な色の半袖チュニックも、どこかの民族衣装のようだ。そして全員、腕にそれぞれ種類の違う花の入れ墨を入れている。
一体どこから来た人たちなんだろう、とイヅナが彼らを見ていると、イヅナの祖父並みに物知りで頭のいいヴィンセントが口を開く。
「皆さんは、西に住むフルール族ですよね。フルール族の民族衣装は鮮やかなチュニックですし、その腕に入れてある入れ墨はフルール族が成人の儀式の際に入れる自分の家の家紋です」

