「……すきだよ、真咲」 耳元で響くのは、誰よりも愛おしい声。 その声で名前を呼ばれる度に、これからも私は幸せを噛み締めるのだと思う。 力を込めていた腕を緩めて、顔を上げる。 不思議だね、こうやって見つめ合うだけでも気持が伝わる。 たぶん、お互い目を瞑ったのはほとんど同時だったと思う。 バニラの香りが強くなって、次の瞬間には唇を優しく奪われた。 触れるだけのキスなのに、触れた唇はやけに熱くて、高鳴った心音は呼応するように響きあっていた。