フヘンテキロマネスク



……でも、なんかこの一連のやり取りのおかげで少し元気出たかも。気が紛れたというか。1人だと延々と暗いことばっかり考えてただろうから鈴本くんに感謝だ。



「鈴本くんありがとう!少し元気でたよ」

「少しなんだ」

「まあさすがにね。そんなすぐには完全に立ち直れないよ」


だってはじめて本気で好きになった人だったから。終わりなんて全く考えてなかったからこそ、突然の終わりは想像以上のダメージで。


いつかは時間が解決してくれる、なんて他力本願な考えだけど、でも結局はそれに頼るしかない。保科くんが私の中で当たり前のように居座りすぎて、自分で無理に消そうとすればするほど、心が削られてくような気がするから。



「……じゃあさ、早く遥輝のこと忘れられるように俺が手伝おうか?」

「え……?」



突然のその言葉に、素っ頓狂な声が零れる。


きっと今の私は、口をぽかんとあけて間抜けな顔をしてると思う。


手伝いって何をするんだろう?というかそれ鈴本くんにメリットあるのかな。


頭を捻りながら考え込む私の思考を遮るように、


「――――真咲」


保科くんしか呼んでいなかった私の名前を、鈴本くんは躊躇いもなく口にした。