フワリくんと一緒に、階段を上る。
3階にある職員室まで、2人で上がる。
なにが起きているんだろう。
なんで私は今、フワリくんと一緒に歩いているんだろう。
3歩ぐらい後ろを歩く私の目に、フワリくんの白いシャツが見える。
初めての、……2人。
「……だいじょー、ぶ?」
階段途中で振り向いたフワリくんは、私が横に追い着くまで止まって待っていてくれた。
フワリくんのこと、良く知っているわけじゃなかった。
一目惚れで、横顔が優しくて、髪の毛がフワリとしてて。
本当はどんな人なのか、それを知るのはとっても難しかった。
今、目の前にいる想像でも妄想でもないフワリくんは、
優しい……
「……、だいじょぶ、デス、」
たったの6冊しか持っていないこと、分かっているはずなのに。
女の子がそんなにか弱くないこと、分かっているはずなのに。
フワリくんはどうしたって、私の気持ちを、持っていく……


