よく考えればあずりん先輩、ヒューヒューって茶化してたし……

やっぱりフワリくんとは、ただの友達?


単純な私の脳みそは、沈んだ底から見事に浮上してきた。


フワリくんとあずりん先輩は付き合ってない。


きっと彼氏彼女なんかじゃない。



「……ふふ、」

「え、なに、気持ち悪いよ」



嬉しい気持ちが後から後から溢れてきて、見える視界を明るい色に変えていく。


ほんと単純だな、私……





…………。




「、あっ!」



そんなことより、フワリくんと1年の女子!


いつの間にか真後ろからは、フワリくんと1年女子が消えていた。


どこかに行った?

それとも廊下で話してる?



「、…」



想像すると怖くて、机の上で手の平をギュッと握って俯いた。


どうしよう、2人、どこに行ったんだろう。



浮上したカラフルな世界は、瞬く間にセピア色になってしまった……