「うんうん、わかるよ、私も同じだよ…」
「私だって、好きな人の前だと真っ白になるよ…」
「、…」
「ななだけじゃない、みんな同じだよ」
「話せなくなるよね。言葉とか、どっか行っちゃうよね…?」
「ほんとは話したいくせに、声が出ないんだよね」
「そうそう、緊張から変なこと言って、あとから後悔したりね…」
私を励ましてくれるみんなの声に囲まれて、教室の隅でわんわん泣いた。
授業が始まる頃には目が真っ赤になったけど、1番後ろの席だからまぁいいやって。
泣くのも笑うのも、私の感情は全てフワリくんの存在1つで変わっていく。
谷ぽんの友達が、いつかフワリくんに告白したら。
2人が付き合いだしたりしたら。
そんな未来を想像をするだけで涙が出てくるくせに、戦う勇気は出てこない。
ほんの少しの勇気でも、いつか私にも出せるなら。
だけどいつかなんて言っていられないかもしれない。
体育祭、もしかしたら谷ぽんの友達、告白、するのかも……


