「わかりやすんだよお前、兄貴に対する返事ハキハキしすぎ」



いやいやいやいや。


いやいやいやいや!



「いいじゃんいいじゃん、俺応援するよ」

「いらないし」

「またまたー、照れんなって」

「照れてないっ」

「大丈夫、兄貴今彼女募集中だし」

「えっほんと!?」



反応を間違えてしまった。


ヨッコチャンスじゃんって思った反応が、目の前の勘違い男には当然に勘違いを引き起こす。



「ほら見ろお前、わっかりやすー!」

「あのねぇ!」

「わわわっ、なになにー高橋~、副リーダーと付き合ってんのー!?」



廊下の壁に寄って2人で話す私たちを見て、勘違いがもう1人。



「あずりん先輩、ちがっ、!」



最悪なことはたて続きに起こる。


あずりん先輩に否定しようと振り向いたら、先輩の隣に、


コーヒー牛乳を飲むフワリくんが、いた……


まずい、これはマズイ。

菊地弟と付き合ってるって、絶対誤解された!



「おっと、俺もう行かなきゃ怒られる。つーわけでなんかあったらいつでも言えよ、俺はお前の味方だ!」

「きゃっ、副リーダー頼もしい!」



ち、…ちがう!


って否定しようとしたけど、フワリくんはもう教室の中に入っていて、あずりん先輩の隣にはいなかった。



うそ、でしょ……。


やだ、やだやだやだやだ。


フワリくんに誤解されたままなんて、無理すぎる……