ふんわり王子と甘い恋♡




フワリくんが立ち止まったのは、購買横の、自販機の前。




「ん。」

「、…」



ガコンって、自販機から落ちてきたコーヒー牛乳を、渡された。



「好物。」

「、…」



嫌いにならなくて済んだコーヒー牛乳は、フワリくんの手と私の手に、1個ずつ。


手はまた引かれて、歩きだす。



どこへ向かうのかもわからず、引かれるままについて行ったら、辿り着いたのは図書室だ。



昨日、『好き』って言われて、『好き』って言った、静かな場所……





「誰もいない。」

「、……」




誰もいないことを、嬉しそうに言うのは、なぜ……。


図書室は、学祭ではなんにも使われていないから、いつもの図書室のまま。


片づけに精を出している生徒は、一人もいない。



「ん。」

「、…」



プスってストローを刺したコーヒー牛乳を、渡される。


代わりに私の手から取り上げたコーヒー牛乳に、今度はストローを刺して……フワリくんはすぐに、それを咥えた。



「んまい。」

「、…」



咥えたストロー越しの笑顔がかわいくて、ニヤケちゃう。


フラフラとフワリくんが歩くから、私もフラフラとついて行く。