「もう帰って、いーんかな?」
「片づけ終わったし、いいんじゃ、ないですか?」
フラフラと、2人で学食を出る。
すぐ目の前の渡り廊下を、ゆっくり歩く。
フワリくんに恋をした、渡り廊下。
空を見上げる横顔に、恋をしたあの日を思い出す。
太陽が眩しいこの場所で、じっと空を見ていたフワリくんは、あの日のことを覚えているのかな……
私が恋をした、あの日のことを……
「こっから、……」
立ち止まり、フワリくんが見上げたのは……
あの日と同じ、青い空。
映るのは、あのときと同じ……優しい横顔。
そして話し始めるのは……私の知らなかった、事実たち。
「こっから、見えるんだ、」
「、…」
空を見上げるフワリくんが、じっと見ているその先は……
「……1年生の、廊下。見えるの。」
「、…」
「だからこっから、いつもななちゃん、探してた。」
「、、、」
見ていたのは、空なんかじゃ、なかった……
フワリくんはあのとき、私を……探して、いた……?


