「ゴミ、捨ててくる。」



丸めたガムテープをゴミ袋に入れて、口をぎゅっと縛るフワリくん。



「あ、大ちゃん、これもこれもー」



ゴミ袋を抱えているフワリくんに、雄介先輩がもう1個、ゴミ袋を渡した。


重いのか、持つことをせず引きずりながら、フワリくんが教室を出て行った。




「よし、邪魔者消えたー!」

「、、…」



隣に……すかさず飛んできたのは、山本先輩。


しゃがんでまだガムテープを剥がしている私の横に、にこにこしながらしゃがみ込む。




「ツインテールちゃーん」

「、ハイ」



山本先輩の香水の香りが、変わってる。


いや、違う。


香水の匂いなんて今までしなかったのに、今、ほんのり香るのは、フルーツみたいに美味しそうな、香水の香り。



「香水、つけてるん、ですか、?」

「あ、わかっちゃった?」

「いい匂い、ですね」

「でしょ?」



嬉しそうにはにかむ山本先輩に、つられて私もはにかんだ。



「貰ったの、彼女に」

「そーなんですか!」

「そーなんです!」



だからそんなに、嬉しそうなのか。


結局山本先輩は、なんだかんだ言っても、彼女さん一筋だから。


私的には、体育祭のフットボールで、山本先輩の彼女、ちょっと怖かったけど。