学園祭が終わって次の日の今日は、全校生徒で片づけをする日。


ガクバケで担当した教室を、みんながテキパキと片づけていく。




「あーあ、せっかく作ったのになー」

「祭りのあとって切ねー」



窓に張り付けている幕や段ボールを剥がすと、それだけでもう別世界。


教室に光が差し込んで、魔法が解けたみたいに、明るく、眩しくなっていく。



「うわ、眩しすぎ」

「浴びとけ浴びとけ。失恋の傷には陽の光が1番の薬だろ」

「うーー……切ねぇぜ!」



失恋の傷を癒すように、体いっぱいに陽を浴びる雄介先輩。



「段ボール捨ててきまーす」

「おー、わりーな」



大量の段ボールを抱えて、桑野ときくりんは教室を出る。


私は、窓の横に貼りつくガムテープを剥がすのに、必死。


だって全然剥がれない、これ……。




「ななちゃん、」

「ハイ、!」



ガムテープを剥がすのに必死で、そのまま必死な返事が飛び出た。



「ぉ、元気だ、」

「ぁ、……間違え、ました、……ボリューム、」



私の手には、剥がしたガムテープがいっぱいついている。


フワリくんが、それを一個ずつ、私の手から取っていく。