「なりたい、っつーか、…」
「……?」
「早くななちゃんと、結婚してーの。」
「、……」
ケッ……コン。
「……。」
「ひくな……。」
ひ……いて、ないけど……
でもでも、結婚、って……
「言ったじゃん。ななちゃんが思ってるよりも、ずっと一緒にいる、って。」
「、…」
「俺、嘘つかないから。」
「、、…」
「ずっと一緒にいるって言ったら、ほんとにずっといんの。」
フワリくんが、照れくさそうに、幸せそうに笑ってる。
私の可愛くないヤキモチも、全部包みこんで、笑ってる。
きっと、未来が待っている。
私とフワリくんの……2人の未来は、繋がっている。
高校生なのに。
未来なんて見えるわけもないのに。
なんでだろう、絶対って言いきれるのは。
「じゃあ、私も早く、大人になりたい、です」
そうしたらすぐ、大好きな人の、お嫁さんになれるから。
早く、早く……大人になりたい。
「ななちゃんは、大人ってより、早くおばあちゃんになってほしい。」
「おばあ、ちゃん、?」
「さすがにヤマ、もう寄りつかなくなる。」
「そんな、理由、…」
「俺にとっては、重要、だから。」
「、…」
隣同士、手を繋いで。
フワリくんの言葉に苦笑いを浮かべながら。
10月の夜空の向こう、きっと明るい未来を……2人でいつまでも見上げてた。