ふんわり王子と甘い恋♡




「ななちゃん?」



ぼーっと突っ立っていた私を、部屋から出て来たフワリくんが、呼んだ。




「もりりんの歌、すんげぇテンション、高ぇんだもん、」

「、…」

「聞いてるだけで、疲れちった。」



疲れたから部屋を抜け出してきたって、言い訳みたいに言うフワリくん。




「外、……涼みに、行かない、?」

「、…ハイ」




この幸せを、噛み締める。


今目の前にある、奇跡みたいな、幸せ。


だけど少しだけ……ほんの少しだけ、今、きくりんのことを考えてもいいのなら。




私は絶対に、忘れない。



たった1度の高校生活の中で、『好き』って言ってくれた、もう1人の男の子の存在を。



きくりんとの、思い出を。



いつか大人になったとき……絶対に、嬉しかった思い出だって、言い切れるから。



フワリくんとの幸せがどんなに積もっても、どんなに溢れても。




それでも私は絶対に、忘れないよ……