「いつも、ね、…」

「、…」

「見てたんだ、……ななちゃんのこと、」




いつも見てたって言うフワリくんの目は……私のことを見ていない。


いつも見ていたその時を思い出すように、思い出の中を見るように……少しだけ、視線を下げている。




「ななちゃん、いつも友達に囲まれて、楽しそーに、してんの、」

「、…」

「最初、……初めてななちゃん見たときも、みんなと楽しそーに、笑ってた。」

「、…」

「ちょっとね、バカだなーって、思うようなことしてて、」




いつの話をしているのか、わからない、けど……




「女子の集団、俺、あんま、苦手なんだけど……」

「、…」

「そんときの、ななちゃんたちの集団は、……ほんとに楽しそうに、見えた、」

「、、、…」




楽しそうに見えたって言うフワリくんも、思い出してか、楽しそうに笑ってる。


私はいつ、そんな風に見られていたんだろうって……不思議に思う……



どうしてだろう……また、少しだけ泣きそうになる……