「いつから、……好き、だった?俺のこと、」

「、…」




今までで1番近い、この距離で……頭は全然、動かない。




「多分、……俺のが、先、だな、」

「、…」




わかんないけど、もう……なんだっていい。



目がヒリヒリ痛くて、だけど胸の中は全然痛くなくて。




「打ち上げ、いこっか、」

「、……ハイ、」



フワリくんが、私の手の中のパーカーを取り上げて、右手に持ち直す。



「行こ。あずさに、怒られる、」

「ハイ、…」



伸びてきた左手が、私の右手を持って、しっかりと繋いでくれるから……


さっきよりもうんと暗くなっている廊下も、


どこからか聞こえるラップ音も、



全然、なんにも、怖くない。