「ねぇごめん。なんか話が噛み合ってない感じすんだけど。もりりんはいいから、高橋」
「、…」
「すぐるに聞きたいこと、ちゃんと聞きなさい」
見上げたあずりん先輩が、また、私の背中を押してくれる。
待ってるだけじゃなく、自分から聞きなさいって。
言葉にして、確かめなさい、って……
未だに両手で、しっかりと握られている右手。
さっきよりもしっかりと、……絶対に離してくれないって、わかるくらい。
フワリくんの答えによっては、もしかしたらこの手を、自分から離すことになるのかもしれない。
だけど、聞かないわけにはいかないから。
うやむやにするわけにはいかないから。
自分の言葉で、自分の耳で、真実を確かめなくちゃいけない……
「あの子、……って、」
「…、」
「、ダレ、……デスカ、…」
聞いた瞬間、フワリくんの手が、緩んだ。
簡単に抜けそうなほど、緩くなった。
なんで……
やましいことが、あるから……
隠してることが、あるから……
動揺、してるから……
「そう、そうだ『あの子』!」
「なによもりりん」
「俺もそれを聞いたんだわ。雄介たちが廊下で『あの子あの子』騒いでるから、『あの子ってどの子よ?』って聞いたら、あいつらハッキリ言ってたぞ」
「、…」
「大ちゃんの女だ!って」


