「カノジョに、……なった、記憶は、ない。」
「、…」
言葉は大事だって……あずりん先輩の教えが、ものすごい勢いで身に沁みる。
目で見たものが真実じゃないって……言葉で聞かなきゃわからないって……
これが真実だって……教えてくれる。
嬉しくて、一瞬泣きそうになったけど。
だけど。
私の話を聞くことを、断られたのも、また真実。
彼女のためじゃないなら、やっぱり、迷惑だから。
困るって言われたあの言葉だって、それもまた、真実だから……
でもまだ、私の言葉は紡いでない。
私の言葉をフワリくんに届けるまで、終われない。
「泣いた、理由、」
「……う、ん、?」
「聞いて、くれません、か、……」
「…、」
フワリくんのことが好きだから……大好きだから泣いたって……
今ならちゃんと言えるから。
お願いします。
伝える時間を、私にください……
「……あずさ、遅ぇな。俺、見てくる、」
「、…」
まるで逃げるように……フワリくんがドアに向かって歩き出す。
そんなに、嫌?
そんなに私の気持ちは、迷惑?
言葉を……なにひとつ聞いてくれないまま、行っちゃうの、?


