「、……アノ、」
「……、」
「、大原、……先輩、……」
薄暗くても表情が見えるくらいの距離で、立ち止まる。
手だけじゃなくて、足も震えるから、……きっと声だって、震えちゃう。
「……、」
「、…」
言葉を紡ぐのは、やっぱり難しい。
思うように出てこない言葉は、いつも私の邪魔をする。
息を大きく吸って、気持ちを落ち着かせて……なんてやっている時間は、ないのに。
「……泣いた、の、?」
「、…」
表情が見える距離になって……フワリくんが私の可愛くない顔を、見た。
見られたくなくて俯くけど……見られたあとじゃ、意味がない。
泣いたの?の問いには、答えない。
だって今は、私が言葉を、紡ぐとき……
「あの、」
「…、」
「……話、を……聞いて、くだ、、サイ、、……」
精一杯。
私の、本当の、精一杯。
可愛くない顔を上げて、震える声で、……きっと今にも泣きそうな顔で……
精一杯に、言葉を紡いだ……


