「勇気なんか、出さなくていい」
「、…」
薄暗い図書室で、手を握ってもらうけど、それでも震えが止まらない……
泣き腫らした可愛くない目には、また涙がジワジワ浮かぶ……
「勇気の代わりに、言葉を出すの」
「、…」
「いくら勇気があったって、言葉を出さなきゃ意味ないの」
「、、…」
言葉、を……
フワリくんに恋をして、なにも言えずに過ぎていった時間はたくさんあった。
少しの勇気を出して近づいたのに……なにも言えない時間はたくさんあった。
「言葉にするの。伝えるの。それが1番大事なの」
「、、、…」
ボロボロと……あずりん先輩の手の上に、私の涙がいっぱい落ちる。
あずりん先輩の手が、ぎゅっと強く、私の手を握るけど……私の手に、力なんて入らない……
「聞いてくださいって、一言でいい。最初にそう言うの」
「、…」
「聞いてって言われたら、聞いてくれるやつだから」
「、、…」
「自分の言葉は閉まって、最後まで聞いてくれるやつだから」
「……、……ッ…、、」
「そういう優しいやつだって、知ってるでしょ?」


