「、……ビビ、った、」
「、…」
「俺、……騙されてんのかと、思った、」
演技が出来て騙せるくらいの余裕……あるわけない。
一言を言葉にするだけで……精一杯なのに。
「……大原先輩の、思ってる通り、」
「…、」
「、私は、……バカ、なので、」
「…うん、」
「うん」って、肯定されるのもどうかと思うけど……演技って思われるより、大分マシ。
さっきまでバカって思われてへこんでたのに……今はバカのほうがマシって……
これも一種の、ポジティブ?
「ななちゃんは、」
「、…」
ふふって笑いながら……フワリくんの横顔が、私を見た。
「そのまんまで、いてね、」
「…、」
言葉を……片言みたいに紡ぐフワリくんの声に……
「そのまんまでも、……」
「、…」
「ななちゃんなら、……幸せ、なれっから、」
私は急に、……泣きそうになる。
好きな人に、幸せになれるって言ってもらえる幸せ。
だけど。
その相手は自分じゃないって……他人事みたいに言われる、不幸せ。


