忘れていたリモコンを操作して、心霊写真の映像を流す。
流れ出した映像に、お客さんの反応は……
「ハルキ～、超こわ～い！」
「大丈夫だよ、僕がぎゅってしてあげるからね」
「やーん、ハルキ頼もしー！」
「ほら、こうしてれば怖くないだろ？」
２人の会話が……そこで途切れた。
隙間から……覗いてみたら。
ほんとにぎゅっと抱きしめ合ってる……２人がいた。
うそでしょ……こんなところで。
「……テレビ、見てねぇ。」
「、…」
気にするとこ……そこ？
「ハルキ～、チューしてぇ」
「ここで？」
「どうせ誰もいないよぉ～」
いるし！
思いっきりいるし！
このままじゃ本気でキスしそうな２人に、なぜか私の心臓がバクバク。
「見ろや。テレビ見ろや。」
フワリくんはしきりにテレビを見ないことばかり気にしてるけど……子供の私には、人様のキスシーンは耐えられない。
フワリくんと隣同士なのに、そんなことされたら気まずい！
「ねぇ、このテレビ眩しいから消しちゃおっかー」
「そうだね、暗い方が雰囲気出るし」
え……ちょ、待っ、！
テレビを消されたら、リモコンで操作できなくなる。
だから焦って立ち上がった私は、相当バカ。
ガン！って音と同時に、私の頭部と机の天井が、……ごっつんこ。
