「ポジ、……ティブ、」
「……ん?」
「大原先輩、……ポジティブ、」
「……。」
「すごい、……天才、」
自分にはない考え方に、とにかく感動。
だってもしかしたら、私が今までネガティブに考えてたことも、考え方によってはポジティブになることもあるんじゃないかって。
角度を少し変えるだけで、なにかが変わるんじゃないかって。
すごく大事なことを、フワリくんに教えてもらった気がした。
「ありがとう、ございます、」
「なにが、?」
なんのお礼かわかっていないフワリくんと、未だに感動中の私。
噛み合ってない空間の中、聞こえてきたのは――
「うわ、この教室気持ち悪い!」
「、…」
「……。」
盛り上がっている最中、次のお客さんが入ってきて2人して焦って我に返った。
また……すっかり忘れてた。
今、私たちがやるべきこと。
「…、」
「大原先輩、テレビ、」
「あ、そっか、」


