ガクバケは、本当に長蛇の列が出来ていた。


お化け屋敷の入口には菊地先輩がいて、受付をしている。



「あれ、高橋さん交代だっけ?」

「きくりんが部活の用事出来たみたいで、頼まれました」

「まじ?ごめんねー、迷惑かけて」

「いえ、」



そういえば、一緒に隠れるもう1人の人って、誰だろう。


ちゃんと聞いとくんだった。


まさかフワリくん、……なんてことはない、だろうけど。


だってフワリくんときくりん、2人で仕事するような仲じゃないだろうし。



「お、高橋さんの相方来たよ」



相方、だれ……




「大ちゃーん」


「、…」

「……。」



振り向いた先に……フワリくんが立っていた。



「お前の相方、急遽高橋さんになったわ」

「……。」

「、…」



相方は……フワリくん。


フワリくんと2人だけで、1時間も隠れるって、こと。



「、…」



わざと?


きくりん、もしかして、わざと……



「2人とも、今のうち中入って」

「、…」

「高橋さん?」



なんで……


あまりにも急なことに、頭が……フラフラする。



「ななちゃん、」

「、…」