ふんわり王子と甘い恋♡




「なに、が、」

「だからー、すぐるくんは誰のために、」

「つーか大ちゃんのこれさー」



山本先輩の手によって、フワリくんの頭から外されたうさぎの耳が……



「ツインテールちゃんのが似合うっしょ」

「…、」



私の頭に、やってきた。



「やっば、究極の萌え!」

「チャラ男通り越して変態か」

「、…」



泣きそう。


フワリくんのうさ耳が、私の頭に乗ってるだけなのに……泣きそう。



「、…」

「……、」



フワリくんがやっとこっちを見てるのに、なにも言わないから……私も、言えない。


笑ってくれないから、……私も笑えない。



「なな似合う、可愛い!ね、大原先輩」

「、……ぅ、ん、」

「…、」



泣きそうな私を気遣って、ヨッコがとり持ってくれるけど。


フワリくんが……困ったようにこっちを見るから……



「俺より、似合う、」

「、…」



困ったように笑うから……どうしたって、泣きそうになる。



フワリくんはきっと、私の言ったことを受け入れてくれてる。


優しいから、『優しくしないで』を守ってくれてる。


私の好きに応えられないから……私がこれ以上傷つかないように、距離を置いてくれてる……


それが1番の優しさだってことに、気づきもしないで……