「なに、が、」
「だからー、すぐるくんは誰のために、」
「つーか大ちゃんのこれさー」
山本先輩の手によって、フワリくんの頭から外されたうさぎの耳が……
「ツインテールちゃんのが似合うっしょ」
「…、」
私の頭に、やってきた。
「やっば、究極の萌え!」
「チャラ男通り越して変態か」
「、…」
泣きそう。
フワリくんのうさ耳が、私の頭に乗ってるだけなのに……泣きそう。
「、…」
「……、」
フワリくんがやっとこっちを見てるのに、なにも言わないから……私も、言えない。
笑ってくれないから、……私も笑えない。
「なな似合う、可愛い!ね、大原先輩」
「、……ぅ、ん、」
「…、」
泣きそうな私を気遣って、ヨッコがとり持ってくれるけど。
フワリくんが……困ったようにこっちを見るから……
「俺より、似合う、」
「、…」
困ったように笑うから……どうしたって、泣きそうになる。
フワリくんはきっと、私の言ったことを受け入れてくれてる。
優しいから、『優しくしないで』を守ってくれてる。
私の好きに応えられないから……私がこれ以上傷つかないように、距離を置いてくれてる……
それが1番の優しさだってことに、気づきもしないで……


