うさ耳。


なにそれ……王子。


うさぎの国の王子がいる。


ヤバイ……可愛い、、、



「ツインテールちゃん、ラピュタだからお下げ?」

「…ハイ、」



山本先輩が、私のお下げを持ち上げて左右に揺らして遊んでる。



「……。」

「、…」



目が……合って、……ない?


いや、合ってる、?


山本先輩の左右に揺れる手が邪魔で、よく見えない。



「俺らはね、アリス」

「アリス……」



そっか、だからうさ耳つけて、可愛い格好してるんだ。



「あの、菊地先輩は一緒じゃないんですか?」



多分、勇気を出して尋ねたヨッコの声に、



「あー、なんか2年の女子に呼びだされて、どっか行ったわ」

「、…」



雄介先輩が、そう教えてくれた。


絶対、それはヨッコにとって、知りたくなかった情報。


どうしよう……ヨッコのテンションが……ガタ落ち。



揺れる山本先輩の手の隙間から、チラチラ見えるフワリくんは……もう背中を向けていた。


私のテンションも……ガタ落ち。



「全校生徒のみなさんはクラスごとに整列してくださーい」

「お、開会式始まるって。じゃあねー、お下げちゃん」

「…ハイ、」