「いい思い出に、……なりましたか?」

「ん?」

「太一くんとの思い出は……いい思い出、ですか、?」



3年間も想い続けていた相手が……いつの日か、ちゃんと思い出に変わるなら。


私の想いも……いつか、必ず……



「うん、すっごくいい思い出。青春時代のトップ。たくさん泣いたしたくさん悩んだし、辛くて苦しくて、太一くんのバカー!っていっぱい思ったけど」

「……」

「今振り返れば、いっちばん楽しかったなぁ、あの頃が」

「、…」



未来の自分が……そう思えているように。


それだけが、今の私の願い。



「人を好きになるってさ、キレイな恋愛ばかりじゃないけど……でも学生時代の恋愛は、やっぱりキレイだよね。純粋で、真っ直ぐで」

「、…」

「言い方は悪いけど、なにをしたって許される時期なんだから。自分の納得のいくまで、いけばいいのよ」



自分の……納得のいくまで……



「でも、……相手に迷惑、」

「いいじゃない、迷惑かけたって。いや、ストーカーとかはダメよ?」

「、…」



ストーカーは、さすがにしないけど。


彼女がいるフワリくんに……迷惑はかけたくない。


それに彼女がいる人を想い続けるのは、どうしたってツライから。



「私なんて太一くんに3回告白して3回フラれたんだから。とんだ迷惑者でしょ?」

「3回!?」



私と同じように大好きな人がいた先生は……私とは違う。


3回も告白って……すごい。