久しぶりに来たお昼の学食は、今日も賑わっている。


フワリくんに会う可能性もあるけど、終わった恋に逃げ場なんてないから今日から学食を再開した。



「隣いいかい、お嬢さんたち」

「……」



見上げたら、久しぶりのあずりん先輩とスー先輩が立っている。



「やー昨日の停電大変だったね。無事だった?なにか困ったことはなかったかい?かわい子ちゃんたちが困ってたら、このあずりん先輩がすぐに駆けつけるんだからね!」



ヨッコと2人、笑った。


来て座るなり喋り出すあずりん先輩は、今日も健在だ。



「そうそう、私停電になったとき家にいたんだけどさー。そしたらいきなり電気が消えて超イラついて」

「……」



怖がるんじゃなくて、イラつくんだ。



「なんも見えねぇー!ってスマホ投げつけたら、壊れやがった。だから私今誰とも連絡取れない状態だから。連絡くれても音信不通だから、なにかあったら教室まで来てねかわい子ちゃんたち」

「、…」



教室には……多分、もう行けない。


用事があっても、絶対行けない。



「絶対壊れないスマホ、誰か作ってくんないかなー」



みんなの前で笑っていても、気持ちはずーっと泣きっぱなし。


涙腺は、今もずっと我慢したまま。