「さっき、まだ何人かいたのは?」
「あー、他の先生がもう送ってる。お前らほんとに最後だわ」
「、…」
いつか思い出に変わるなら。
本当に、変わるなら。
その時の為に……いっぱい、……いっぱい思い出を作らなきゃって。
いっぱいフワリくんのことを思い出せるように、……フワリくんとの思い出をもっともっと作りたい。
彼女じゃなくても。
友達じゃなくても。
ただの……後輩としてでいい。
大好きな人がいた思い出を……未来の自分に……
届けたい。
だから、
手を……ぎゅーっと、私からも握り返した。
「、…」
「……、」
怖いからじゃない。
ただ……
フワリくんが好きだったっていう思い出が……ほしいから。


