フワリくんの腕から恐る恐る顔を上げたら……暗闇の中に、浮かぶ顔。
やっぱり幽霊、!
「ななちゃん、あれ、もりりん、」
「、、…」
また、顔をあげて……ゆっくり見たら。
懐中電灯をアゴに当てて……暗闇に浮かぶ……
担任の顔。
「、…」
「ね?」
……サイアク。
もりりん……やっぱり嫌い!
「大ちゃんも少しは驚けよ。俺がスベッてるみたいじゃんか」
「スベってるし。」
「はー?」
「、…」
教師のくせに。
担任のくせに。
ほんとにめっちゃ怖かった、!
「最高の登場だったろ?」
「最低だし。まじサイテーだし。」
心臓は、怖くてまだ焦ってる。
暗闇の中に浮かんだ顔は、トラウマになりそうなほど怖かった……
「ほら、とっとと行くぞ。もうこの階誰もいないみたいだから」
「、…」
ずっと握っていてくれたフワリくんの両手が……片っぽだけ、離れた。


