スマホの光が……唯一の光。
真っ暗闇は怖いけど、弱々しい光の中に見える教室も、やっぱり怖い。
でも。
『心配すんな』
怖いのに……大丈夫って、思える。
右手をギュッと握ってくれるフワリくんがいるから……大丈夫って、思える。
「4階も、暗かったけど、」
「、…」
「残ってる生徒何人かいたから、そっちのが怖くないと思う、」
「……、」
早く、ここから出たい。
怖くない場所に、行きたい。
「ななちゃん、鞄、どこ、?」
「、…」
スマホのライトは弱々しくて、教室の端に置いている鞄までは届かない。
「立てる?」
「……ハイ、」
先に立ちあがったフワリくんが、右手を繋いだまま立たせてくれる。
歩きながら、教室の端を辿るライトの先を見るのは……やっぱり怖い。
当てられたライトの先に、……なにかがいそうで、怖い。
「あった、」
「…、」
「これ、だよね?」
「ハイ、」
私の……リュック。
さっきいた場所から結構遠くにあったから……手探りでなんて、絶対無理だったんだ。


