「じゃあ副リーダー、誰かやりたい人ー?」
きっとこれも3年生がやってくれる。誰もがそう思っていたとき。
「菊の弟、1-3にいるんじゃなかったぁ?」
3年生の女子生徒が、そんなことを口にした。
え、弟?
「えっまじ?どれどれ!?」
「菊地の弟ー、手あげろー」
3年生が一気に後ろに振り向いた。
両足をイスに乗せて、さっきみたいに膝の上で頬杖を着くフワリくん。
が、振り向いた、その時。
みんなが1年の菊地弟を見る中、私だけが全然違うフワリくんの方を見ていたからか、
「、…」
「……」
思いっきり目が合って、
びっくりして、すぐに逸らした……
ヨッコの腕をぎゅっと握ったと同時に、菊地弟が声を出す。
「うわっ、まじ勘弁してくださいよー」
勇気を出してもう1度フワリくんを見ると、菊地弟の方を見て笑ってた。
もう、……もう、……
笑ってるフワリくんスーパーかっこいいっ…!
「なな、腕痛い…」
悶えるあまり、ヨッコの腕をきつく握りすぎていた。
手の力を緩めたけど、フワリくんのあまりのかっこよさに悶絶する勢いで、1人で体を支える力なんてもはやなくてヨッコの腕を離せない。


