泣いている私を隠すように、イッカちゃんが教室の端に誘導してくれた。
登校してきて増えてくる教室の中で、隅っこにしゃがみ込む私たち。
段々と、女子がみんな集まってきて。
私を囲んで、理由も知らないのに励ましの声が飛び交う。
「大丈夫、うちらがいるから!」
「そうだよ、ななにはうちらがいる!」
「泣け泣け!どうせ1時間目もりりんだし、気にせず泣け!」
温かい。
昨日のフワリくんみたいに……みんなも温かい。
泣いて泣いて……泣きすぎて可愛くない顔。
別に元々可愛いわけじゃないけど……腫れた瞼は相当ひどい。
授業中はずっと顔を伏せていた。
もりりんの授業は1個も頭に入らなくて、なにも記憶に残らない。
2時間目も3時間目も……全然、記憶になんかない。
わかってる。
なにも出来ない自分が悪い。
勇気のない自分が悪い。
あずりん先輩を好きなんじゃないかって……告白したんじゃないかって、私が落ち込んでる間に、愛原さんは勇気を出してた。
それがフワリくんに……届いたのかもしれない。
勇気を出した子が勝つのは当たり前。
私は負けて……当たり前。