1つ目の信号は丁度青で、そのまま走る。
2つ目の信号まで、自転車はグングン進んでいく。
外灯のオレンジ色が、夜空に映えていてキレイ。
そのオレンジに沿って、フワリくんは自転車を漕ぐ。
2つ目の信号は、赤だった。
自転車を止めて片足をついたフワリくんが、振り向く。
「ななちゃん、」
「、…ハイ、」
振り向いたフワリくんの横顔に、ドキドキが一気に舞い戻る。
いつまでも見ていたいような、でも見ていると苦しいような……大好きな横顔。
「、腰、……持てる、?」
「こ、し……?」
「グラグラ、すっから、」
「、…」
無理です。って、思ったら、もっと後ろに振り向いたフワリくんが私の手を掴んで、自分の腰に、グルッと回した。
両手で……フワリくんの腰に、抱きつく形。
「、青。動く、よ。」
「、…」
青になって走り出した自転車は、ゆっくり、心地よいスピードで進んでいく。
腰に回した腕は、もう、自分の腕とは思えない……
自分の体なのに、今がどんな状況なのか、……頭が真っ白でわからない。
もしかしたら本当に、これは夢?
だってこんなこと……現実だなんて、思えない。
だから目を、ギュッと瞑った。
次に瞼を開けたとき、全部夢だったらどうしよう。
全部全部なくなってたら、どうしよう。
だけど……大好きな人の声が、今が現実だと教えてくれる。


